ツツイシカの産地別個体変異

ツツイシカ

ツツイシカは日本に初めて入荷された当初、スペキオススシカ、カワノイシカ、中国シカ、タイワンシカ、フキヌキシカ(アッサムシカ)の顎の形状とは異なるディディエールシカのように外へあまり湾曲せず、前方に真っ直ぐ伸びるシカで、入荷当初は名前がついておらず南ベトナムシカsspで入荷されておりました。

ババクルビと共にベトナム南部ダラットから入荷されたのが初入荷で、私も初入荷から数年後に飼育品ですがWF2 の個体をショップで購入して飼育しました。

第一印象はスペキオススシカとディディエールシカの中間種?といった見解でした。ダラット産のツツイシカは65㎜付近まで羽化させましたが、思っていたほど顎の突起がディディエールシカのような誇張の強い印象にはならず、ちょっと迫力には欠ける感じではありますが、後に国内に入ってきたコンツム産、ラオス産、カンボジア産の産地による個体変異があり、標本コレクションをすると面白いシカクワガタだなって印象を受けます。

現在入ってきてるツツイシカの産地は…

・ベトナム・コンツム

・ベトナム・ダラット

・カンボジア・コンポンスプー

・ラオス・チャンパサック県パクソン

ベトナム・ダナンからも入ってきていたような記憶もあります。

3パターンの産地による個体変異が見られます。

1.ベトナム・コンツム産

・コンツム産の個体は顎が真っ直ぐに伸びて、比較的大型になる。

・羽の色はオレンジ色

2.ベトナム・ダラット産

カンボジア・コンポンスプー産

※画像はカンボジアツツイシカ

・顎が少し外に張り出す

・顎が短い

・羽はオレンジ色

・最大65㎜付近しか行かない

・稀に前胸の角4ヵ所に紋が入る

・♀️の羽にも紋が入る個体がいる

この2産地のカンボジア産とダラット産は形状も色も違いが見られない。

 

3.ラオス・チャンパサック県パクソン

・顎が真っ直ぐに伸びて最大75㎜付近まで大きくなる

・羽の色はボイレアウイのようなクリーム色

尚、ボーラヴェン高原とチャンパサック県パクソンは同産地です。

 

すべての産地においてツツイシカの特徴として足の付け根は真っ黒です。

飼育難易度はどれも高くなく、容易に飼育することができます。

幼虫はブナカワラ、ブナオオヒラタケ、発酵マットで飼育可能

 

今現在、3タイプとも同じツツイシカでひとまとめになっていますが、亜種分けされても良いレベルの産地変異の違いが出ていて、今後どのように振り分けられるのか気になるところです。

数ヶ月前にオークションで、ラオスツツイシカがカンボジアツツイシカとして出品されており、勘違いしてしまったのか?ラオスツツイシカがカンボジアで売られていてカンボジアツツイシカとして販売されていたのかもわかりませんが、カンボジアツツイシカの飼育記事や画像が少ないため、調べることもできなかったのだと思われます。

 

虫の面白い所は産地によって色彩、形状、サイズが異なったり変異が見られるところです。

この面白さを知ってしまうと標本にのめり込んでいってしまいそうです。

シカクワガタはもう出尽くしてしまったのか?また新種が入ってこないかとワクワクしておりますが、次から次へと見たこともない、聞いたこともない中国産のクワガタが入ってくるのを見ると、シカの新種はまだいるのではないかと思ってしまいます。

今後が非常にたのしみです。

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