タランドゥス、オウゴンオニについて
沢山の方に飼育されているタランドゥス、オウゴンオニは私が飼育を始めた当時は飼育難関種で、幼虫が育たない、卵を産まない、で沢山の先輩ブリーダーの方々が玉砕されたかと思います。
昆虫業界の沢山さんの先輩ブリーダーの方々の努力により産卵方法が解明され、成虫まで羽化させられる菌糸の種類が分かり飼育が成り立っております。
カワラ菌糸が飼育用品として売られ始めたのは2003年~2004年頃かと思います。
日本で初めてタランドゥスオウゴンオニを大きく育てられる菌糸を開発し一世風靡した菌糸はAドルクスアントラーのカワラ菌糸
《リキッドメタル》
です。
このカワラ菌糸の登場でタランドゥスオウゴンオニが大きく羽化させられると、かなり話題になったことをよく覚えております。
また、同時期にいとこの家の帰りに偶然立ちよった昆虫ショップ(現在は閉店されてます)の店長さんが、その頃にはもうタランドゥスを自作のカワラ菌糸ビン?で飼育されて羽化させており、当時飼育難関種だったタランドゥスの幼虫をとり、羽化まで持っていくという技術と知識に驚かされました。飼育方法も雑誌などに掲載されておらず、砂埋めレイシも出始めた頃ですし、殖菌材もなかった頃で、産卵はブナのカワラ材を切り出してきてそのカワラ材を袋に包み菌を培養させて真っ白く菌に包ませてドリルで穴を空けマットに転がしておくと♀️が材を砕きながら潜っていくと言う初めて見る産卵形態でローゼンも同じようなセットで産卵させていました。ついに飼育できる時代が来たのかと私も飼育に挑戦しましたが、当時のカワラ菌糸は高額で5頭羽化させるのに16000円ほどの飼育費用が掛かりました。
タランドゥス、オウゴンオニは沢山の方が飼育されておりタランドゥスもレギウスも野外レコードを越える個体が飼育品で出ており、オウゴンオニもかなり大きい個体が作出されております。
種別に私の経験上で適用菌糸を書かせていただきます。あくまでも私の環境で飼育してみた結果なので絶対ではありません。
タランドゥス➡️最適な菌糸はルカディアでレコードも出ており、使用した感じからやはり言うまでもないですが、一番タランドゥスに適した菌糸だと思います。
レギウス➡️レコード個体が何で羽化してるか?分かりせんが、ルカディアだとあまり大きくならず、暴れやすい印象です。ファンシーアーズサイトさんのグリード(廃盤?)とグリード高カロリータイプ(廃盤)で安定して大きくなってる印象を持ちます。タランドゥスと食性が違い、私が飼育していた頃はルカディアだと暴れてしまいました。現在はルカディアも食えるようになった?よくわかりませんが、ルカディアで飼育されてる方が多い印象です。
ババオウゴンオニ➡️第一便で入ってきたババオウゴンオニはグリードでエサ馴れさせてグリード高カロリータイプで当方でも81.3が出ておりグリードが一番合っていましたが、グリードが売られておらず、エサ馴れしたせいかルカディアでも大きくなっているようです。また、三階松きのこ農城さんのMr18もババオウゴンオニにマッチしている素晴らしい菌糸です。ランバージャックさんのMADもババにかなりあっているような感じでした。
モセリオウゴンオニ➡️モセリは何度も飼育しましたが72㎜が最高で、マッチしている菌糸がわかりません。ババと違って高添加菌糸は食えないので、私が飼育していた頃はグリードとグリードSLを1:1で混ぜたり、KBファームさんのカワラに添加して18℃付近で管理しておりました。どうしても暴れやすく幼虫も大きくなりづらいので、掴みきれなかったです。野外レコードの81㎜はどうやったら到達できるのか…まだまだ探求が必要です。
モーレンカンプ➡️モーレンカンプも添加率の低い菌糸で低温で管理すれば60㎜ほどの個体は羽化させることが可能です。私が飼育していた頃は神長きのこ園さんのEカワラが販売されていない頃だったので、KBファームさん、ホビー倶楽部さんのカワラ菌糸にて飼育しておりました。野外レコード60㎜後半?に迫る個体を出すには何かしら攻めないとダメなのかもしれません。
フルストルファー➡️この種も低添加の菌糸でないと飼育できません。この種に関しては、また記事で書きたいと思います。
ローゼンベルグ➡️私はグリードで一世代目を飼育して、二世代目からルカディアを使用して飼育しました。Wild個体を購入して後食前に死ぬことばかりで、1ラインしか飼育した事がなくババオウゴン並に添加に強い印象です。
ババオウゴンについては、第1便で入ってきたテナセリウムラベルのババオウゴンは高カロリータイプもルカディアもエサ馴れで食えて80㎜辺りを羽化させている方が結構沢山いますが、次の便で来たババオウゴンオニは、例えると関東のヒラタと九州のヒラタ並みに食性が違うような印象を持ちました。グリードで4世代やってもエサ馴れしませんでした。産地が異なると食性が変わるのかもしれません。
ババオウゴンオニの♂️両方ともルカディアにて羽化70㎜半ばぐらいのサイズだった記憶がある。
タランドゥス、オウゴンオニはフォルム、体の質感などクワガタの中でもトップクラスにカッコよく、人気種でかなり安価でイベントで販売されてます。
この2種は沢山の先輩ブリーダーの方々の努力の賜物の結果で、現在の我々が飼育出来ている事を忘れてはいけませんね。