累代について
今回は累代表記について書きたいと思います。
累代表記はそれぞれどのように表記するのか違いますが…
天然個体➡️Wild
天然個体の幼虫を飼育して羽化させた個体➡️Wild or F0
Wild個体からの一世代目➡️WF1
WF1×WF1 の同腹の子供➡️WF2
別血統同士の子供の一世代目➡️CBF1
CBF1 ×CBF1 の同腹の子供➡️CBF2
が一般的な累代表記の流れになっております。
累代表記は個体の血の濃さを知る意味で必須な表記になるかと思いますが、中には累代が重なり過ぎてわからなくなりCB表記のみになっている場合もあります。
幾つか飼育に関しての専門用語をこれから飼育を始める方もいると思いますので、説明したいとおもいます。
※インラインブリード
インラインブリードはインブリなどと略して言われる場合もありますが、インラインブリードとは同じ♀️から産まれた同腹のオスメスを交配させる事を差します。
※アウトラインブリード
アウトラインブリードは同種の別の血統のオスメスを交配させる事を差します。得られた幼虫はCBF1 になります。
※累代表記の意味
Wildは文字通りの野外で採集された個体を差します。幼虫採集品を飼育で羽化させた個体はWildと表記する方とF0と表記する方がいます。
WF1 はWildを表すWとFilial generationを表すFをくっつけて1は一世代目を表します。
CBF1 のCBはクロスブリードの略だと思われている方が多いですが、『飼育繁殖された個体』を意味するCaptive Breedの略でそれにFilial generationのFをつけて1は一世代目を表します。
虫を購入する際は、累代表記をしっかりと確認してできるだけ累代の浅い個体を選んだ方が長く楽しめると思います。
※累代障害について
累代障害について説明しますと、産卵を全くしない、産卵数が減る、幼虫が弱くなる、不全が増えるなど、インラインブリードをすることによって血が濃くなり弊害が出ます。
この累代障害はどの生き物にも血が濃くなると起こる現象で、カブトムシ、クワガタにおいては種によってインラインでかけられる累代回数が異なります。
例をあげますがF5を累代が越える越えないで強い弱いを区別します。
・累代障害に強い種
オオクワ、ヒラタ、ネブト、シカ、ホソアカ、ニジイロ、キンイロ、タランドゥス、レギウス、パプキン
・累代障害に弱い種
フタマタ、ノコギリ、南米の小型種
・累代障害が種によってことなる種
オウゴンオニ、ニセシカ、マルバネ、ツヤ
私が飼育した経験からこの分類に分けましたが、種によってなのであくまでも強い傾向、弱い傾向程度に捉えて頂けるとありがたいです。
累代に強い分類にしたオオクワガタとネブトクワガタとニジイロクワガタは累代障害がいつくるのだろう?と思うぐらい累代障害に強いです。
ネブトにおいてはF14までの記録があると知人から聞いております。
ミヤマにおいては強い種と弱い種がいて、ユーロ系ミヤマ、アメリカのミヤマなどは累代に強く、チベットミヤマ、フライミヤマ、ダビディス系ミヤマはF3以降幼虫がとれなかったりします。
オウゴンオニに関しては前回記事で書いた通り、フルストルファーオウゴンのみが異常に累代障害に弱く、その部分がフルストルファーオウゴンを難関種としている要因かと思います。他の種は比較的強い印象があります。ローゼンも累代に弱い印象を持ちますが、F6まで飼育品をみたことがあります。
ニセシカに関してはザウテルと中国クロツヤは累代に強いですが、オーベルチュールのみ極端に累代に弱くF2×F2でF3の幼虫をとれなかったり、幼虫が死滅することがざらにあります。
ツヤクワガタに関しては全体的に累代障害に弱くF2の個体から累代障害で極端に幼虫、蛹の死亡率が上がる傾向にありますが、インドのツヤクワガタは比較的累代に強く、もう南インドからベルシコロール、ブルマイスター、デレッセルはしばらく入ってませんが、ベルシコロールとブルマイスターの飼育品はかなり見るので、この2種に関してはかなり血が濃くなってるかと思いますが、産卵も沢山するようですし、幼虫も丈夫みたいでまだまだ飼育していけるかと思います。
マルバネにつきましてはどのマルバネもF3までしかやったことがなく、なんとも言えませんが…オークションやイベント等でF6までヤエヤママルバネの累代品をみたことがあります。チャマルに関しては過去に自己採集からの個体を産卵させてインラインブリードで3サイクルまでいきましたが、コバエ発生によるマット劣化で全滅させてしまい、どの程度までインラインブリードで行くのかわかりません。外国産のマルバネが野外から入っていた頃は、沢山の種類を飼育しましたが、累代障害の強さは日本のマルバネと大差ないかと思います。
※種別の累代表記の認識について
・スツラリスオオクワガタ
パキスタンから一度だけ入荷され、その後全く入ってきていないです。確か記憶だと7ペア前後しか入ってきてないので、ショップやイベントなどで別血統を購入しようとしても恐らく同ラインの可能性が非常に高いです。
・カンボジアツツイシカ
ドルクスグッズ様に1♀️だけ入荷されその累代品がでまわってますが1♀️しか入ってないのでCB表記になることはないです。今現在WF5~WF6ぐらいかと思います。
・ハスタートノコギリクワガタ ナカゴメイ亜種
ナカゴメイも1♀️からのラインしか出回っておらずCB表記になることはありません。ナカゴメイの出元の方に確認済みです。2ラインは存在しません。
・ムニスゼッチフタマタクワガタ
ムニスゼッチフタマタは記憶だと2006~2008年に1度だけメガラヤから入荷され、メルキオリティス同様に多産するので、値段が暴落し2010~2015年辺りによく売られていた種で、一時期全く売られているのをみなくなりオークションやイベント、ショップでも見なくなりました。現在出回ってるムニスゼッチフタマタはWild-villageのメンバーが細々と飼育を続けていたF4の個体とピュアフォレスト様のF2をクロスしたアウトラインが殆どで、別血統を購入しようとしても同ラインの可能性が非常に高いです。絶える前にWild品が入ってきてほしいところですね。
・ラティオキナティブスオオクワガタ(ネパール産)
ネパールのメチから入ってきて10年以上が経過していて、複数ラインを持っていた人がいるのか?まだ日本国内に残っているのが驚きです。もうかなり血が濃くなってる可能性もあり、別血統が他にいるのかも謎です。血の入れ換えをしようにも恐らくかなり厳しい種かと思います。
・エロンガトゥスフタマタクワガタ
現在、出回っているCB表記のエロンガトゥスはWild-villageメンバーが飼育してたCBF5にクワカブプラネット様で入手したWF1 をかけたラインと、CBF5に同じくクワカブプラネット様で入手したWildを掛けた2ライン が主流になります。WildとWildのクロスラインの個体もいると思います。当店は以前にも書きましたが、Wildからの直系も2血統いますので、出所がハッキリしてるエロンガトゥスを血統別でしっかりと管理されております。
・ルニフェルミヤマ原名亜種
ルニフェルミヤマはもう日本に何ラインあるのか?恐らく2ラインほどしか出回って無いかもしれません。Wild-villageメンバーがCBF1 のペアをイベントで購入して、出回っているCBF5前後の累代品はそのラインの可能性が非常に高いです。累代に強く最後に入ったのがいつだかもわかりません。知人でルニフェル原名のWildを複数購入されていた方が大切に繋いでいたCBF1 を購入し私のCBF5の個体とアウトラインブリードで得られたCBラインもいますが、正直このラインは確実な血の入れ換えが行われたのか不明なのでCB表記にて管理する事になります。
※ウエストウッディオオシカの産地に対する累代表記と産地の疑問点
ウエストウッディの産地に関してですが、少数しか入ってない上シアン、ローヒットのラベルと、10年近く経過してる産地、10年以上Wildが入ってない産地で、例えばダージリン、カリンポンラベルは消滅してしまっても仕方ないとは思いますが、シッキム州ガントクのラベルを見る機会が殆ど無いのですが、この産地は入荷して10年も経っておらず、そこそこ数が入っておりますし、ガントクは2015年に25ペアほど入ってきてるかと思います。ガントクに関しては短期間で殆ど消えてしまったことに対して、凄く違和感を持ちます。
その代わりにやたらとディバンバレー産をよく見る機会が増えました。
と言いますか…
ほぼディバンバレー産と言っても良いぐらいです。
累代に関しても疑問に思ってしまう表記もありますし、ディバンバレー産とローディバンバレー産は大量には入っておらず、ここまで広がった背景には何かしら理由があるのではないかとずっと考えておりました。
ディバンバレー産が沢山出回ってる要因は、
- ウエストウッディの飼育技術が向上し幼虫を確保できるブリーダーが増えた。
- 新しく入ってきたディバンバレーの産地の値段が高く、産地をディバンバレーとして産地偽装して販売しているブリーダーがいるのかもしれない。
この2点のどちらかと思います。
ウエストウッディで、もし内歯が真ん中につくしっかりとしたディバンバレー(DV)産の個体を入手したい場合は、しっかりと出元がわかっている信用できる方からの購入をオススメ致します。
累代について書かせてもらいましたが、私が感じて思ったことと、知人や業者様に聞いたこと、私が記憶していることを書いているので絶対ではありません。
少しでも今後のクワガタ購入の参考になればと思っております。
以上