ボーリンフタマタ
《原名亜種》
《バミノルム亜種》

《ボーリン原名亜種》

《バミノルム亜種》
今回はボーリンフタマタについて書きたいと思います。
ボーリンフタマタはインド、ブータン等に生息するHexarthrius属で、2006~2007年頃にランバージャックに初入荷されました。
※ボーリンフタマタ原名亜種
初入荷された個体はインド・ウエストベンガル州ダージリン産の原名亜種で、産卵にクセがあり値段がなかなか暴落することがなく、長年に渡り価格的な面では維持し続けた種になります。
当方、初めて入手したのは2015年で2011年2012年に大金をはたいて、ビッターズで幼虫を購入しましたが、詐欺に合いキヨタミや国産ミヤマ、ホウデンフタマタが羽化し、ボーリンフタマタの本物の個体になかなか巡り会えず、2015年にようやくペアで入手した際は、本物ボーリンの迫力とゴツさに魅了された記憶が鮮明に残ってます。
ボーリンフタマタを初飼育した年は♀️のハズレを引き当てて、空砲の連発で大惨敗でした。
これがボーリンの難しさなのかと実感した年でした。
2016年に再びペアと1♀️を入手しトリオで飼育に再挑戦したところ2♀️で100を越える幼虫を確保できました。
現在、一場から消えつつある種で血の入れ替えもできなくなりWild-villageメンバーでも数名ボーリン原名を飼育しておりますが、累代障害であと数年で絶えてしまう可能性があります。
また、ボーリンフタマタ原名亜種につきましては、どこでどうなってブリードされているのかはもうわかりませんが、バミノルムとの交雑個体も見られ、確実に原名亜種を繋いできた血統はごく僅かです。
確実に純血のボーリンフタマタ原名亜種を入手したいのであれば、信頼ある方から入手しましょう。
※ボーリンフタマタバミノルム亜種
2014年にボーリンフタマタssp として初入荷され2016年にバミノルムとして亜種名がつきました。
原名亜種と違って基部突起が大きく、原名よりも基部突起が広がりながら、根元から立ち上がります、アゴも長くなる印象を持ちます。
2017年に初めてバミノルムWildを入手しブリードしてみたところ、ハズレ♀️で失敗し、翌年にWildトリオを購入し、30頭ほど確保できました。
その後、大量にアルナーチャル・プラデーシュ州からWildが入り、原名亜種よりも飼育にクセがなく、かなり多産するとことで値段が一気に落ちました。
原名よりもさらにゴツくなりかなり、迫力のある種になります。
※ブータン産について
2007年にブータン・サムチ州ドロカ産が入荷されております。
このボーリンフタマタに関しては野外品の標本を一度見たことがありますが、凄く顎の太い個体でバミノルムチックだった記憶がありますが、出回ったブータン産の生体は原名と差はありません。
生体として出回ったブータン産は原名で間違いないと思いますが、ウエストベンガル州に原名が生息していて、アルナーチャル・プラデーシュ州にバミノルムが生息している現状を知るとブータンが原名亜種って言うのも、ちょっと違和感もあります。
正直、どっちなのか言いきれません。
※ボーリンフタマタの亜種間の違いについて
この種の最大の違いは、皆さんご存じかと思いますが顎の基部突起の大きさ、形状、根元に出る第3の突起かと思います。

第3の突起についてはバミノルムも個体差で出る個体とでない個体がいます。
この2種を大中小とサイズ別に標本に残しておくと、この2種の違いが明白に出るので面白いです。
ボーリン原名亜種は60㎜辺りの個体から基部の突起が発達してきて2つの突起がみられる個体が増えてきます。
それに対し、バミノルムは55㎜辺りから基部の突起が発達してきて55㎜以上の個体でも、基部の突起が2つ出現します。

70㎜以上の個体を比較しても原名亜種はやっと基部突起が目立ってきたかな?という印象で、同サイズのバミノルムと比べると、基部の発達の差が歴然となります。


《上は原名、下がバミノルム》
70㎜半ばを越えてくるとなると、更に違いが見えてきます。先程も述べましたが、原名は前に突起が伸びますが、バミノルムは広がるように根元から立ち上がるように基部突起が出現します。
産地や亜種間の違いだけでなく、サイズ別の顎の発達状況なども知識としていれておきましょう。
2種の顎の形状変異に関して、原名よりバミノルムは顎がストレートだというのが明確な違いだと思われがちですが、ストレートな顎をした原名もいることから、
『バミノルムの顎はストレートな傾向』
程度に捉えておきましょう。

《原名の70㎜前半の顎がストレートな♂️個体》
個体差や菌糸飼育などで形状は変化します。
※飼育方法
フタマタの一般的な飼育方法で🆗です。
幼虫は発酵マット、ブナカワラタケ、ブナオオヒラタケで大きくなります。
※正確な知識を得る
少し書かせてもらいたいのは、飼育していて産地や羽化した個体が、
おかしい?と思うか思わないか?
これが非常に重要で、違和感を持ったら専門店や標本商に質問したりして知識を得ることが大切で、絶対に販売しないこと!
その違和感を個体差だと決めつけるのはかなりリスキーです。
それとその違和感に気づくか、気づかないかは
「知識の差」
だと思います。
書籍や聞いた話だけではなく、
実際に、Wild品の生体を色々な角度から見て、尚且つ次世代で沢山の個体数を見ることが重要です。
〇〇の産地の個体は〇〇の地域変異の特徴があると飼育個体を見て判断すると、間違った知識を得てしまう可能性があり、しっかりとした特徴の知識を得たいのであれば、インセクトフェアなどで、実際に現地で採集されている標本商の方の標本を見たり質問して聞いたりしないと私はダメだと思います。
論文なども重要かもしれませんが、正しい産地や亜種間の違い、産地変異を知ることができるのは現地に行った方の話とその方が採集した個体のラベルのみです。
なぜ、私がこのように述べるかといいますと、現地で他産地の個体を混ぜられたり、産地を変えられたり、現地で外国人キャッチャーに採集させた個体の中には偽装されてしまう場合があり、そのような個体を見て産地変異などと誤った知識を得てしまう恐れがあります。
このボーリンフタマタにおいても、Wild入荷記録の無い
[ウエストベンガル州カリンポン産]
のラベルがでまわってます。
恐らく、どこかで勘違いをしてしまい産地を間違われているのかと、私は思います。
もしWildが入っていたとしたら、いつ、何ペア入ったのか?誰がいれたのか?
私には一切記憶がありません。
さらに、飼育品1個体を見て、「この種は違う、別種だ」「〇〇の種は産地別に前胸、顎が違う」「〇〇の産地と〇〇の産地は何も違いがない」と断言される方がいますが、そのように思い込みの激しい方は、偽物をつかまされて一生正しい知識を得られないでしょう。
私は現地で採集をしている標本商の方から沢山の知識を得ております。
その方々の虫のラベルと、話しか信用できません。
私は今後も様々な種について勉強していきたいと思います。
ボーリンフタマタは暴落してしまいましたが、まだまだ人気があり、沢山のブリーダーの方々が飼育されてます。
まだ飼育されたことの無い方々に、この種の魅力が伝わればと思います。